短歌の世界
われ |
いたく |
いのちなき 砂のかなしさよ さらさらと |
という 字を百あまり 砂に書き 死ぬことをやめて 帰り |
たはむれに 母を そのあまり |
草に わが |
汽車を |
高きより 飛びおりるごとき 心もて この一生を 終るすべなきか |
しっとりと 水を 海綿 |
はたらけど はたらけど ぢっと手を見る |
青空に 消えゆく煙 さびしくも 消えゆく煙 われにし似るか |
ふるさとの |
かにかくに おもひでの山 おもひでの川 |
やはらかに 柳あをめる 北上 |
雨を思へり |
ふるさとの 山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山は ありがたきかな |
名も知らぬ鳥 |