世界の宗教の比較                             Homeに戻る

キリスト教 ユダヤ教 イスラム教※ ヒンズー教 仏教 儒教 神道
信者数 19.00億人 1.35億人 10.33億人 7.64億人 3.39億人 0.63億人 0.34億人 →三省堂『世界なんでもTop10』1996年
唯一全能神 唯一絶対神:ヤハウェ 唯一絶対神:アッラー バラモン教などの古代インドの民族宗教 仏陀の前に全能の神や創造主はいない 多神
排他性 排他的 強く排他的:ユダヤ人のみの宗教 国や民族は問わない +民間信仰や風習
神の子イエス アブラハム→イサク→ヤコブ他 610年頃に預言者モハメット(ムハンマド):40歳で神の啓示を聞く +イスラム教や仏教の影響 ブッダ
ヒラー山→メッカで布教→メジナで布教:イスラム暦も始まる 何も排他せず
宗派 カトリック=10.8億人 プロテスタント=3.5億人 カナン※の飢饉によりエジプトへ(※後のパレスチナ) 多神教のヒンズー教
ギリシャ正教=2.2億人 シーア派:正統性を重視
スンニ派:やや柔軟性がある
多数の宗派あり
その他=3.9億人 紀元前13世紀にモーセが200万人のユダヤ人を出エジプト 三大神=繁栄の神ヴィシュヌ
破壊神(恩恵神)シヴァ
12使徒:ペテロ,ヤコブ,ヨハネ,マタイ,アンデレ,フィリポ, 創造神ブラフマー
トマス,バルトロマイ,小ヤコブ,タダイ,シモン,ユダ シナイ山で十戒☆を授かる☆石版に刻まれた十戒は契約の箱(アーク)に納める
パウロ:復活したイエスに出会いキリスト教に改宗 輪廻思想:現世での善行が来世を決める
主イエスを信仰することで罪人である人は救われるとして 規範(ノルム)・・・神が定めた法
今日のキリスト教の基礎を確立 @ヤハウェは唯一絶対神 1.六信:六つのことを絶対に信じること 修行により輪廻からの解脱を願う
A偶像崇拝の禁止 唯一の絶対神(アッラー)・・・・慈悲深く慈愛あまねき神:異教徒にも慈悲深い!
三位一体 B神の名はみだりに唱えない 天使(マラク)・・・・神と人間の間を仲介する
父=天地の創造主にして父なる神 C6日働き,7日目は安息日 啓典(キターブ)・・・・預言者を介して人間にもたらされた啓示を纏めたもの 人生の三大目的
子=神の子イエス・キリスト D父母を敬う 預言者(ナビー)・・・・アダム・ノア・アブラハム・モーセ・イエス・モハメット(最 後の預言者) ダルマ(法):神への礼拝などの宗教行為
聖霊=神の愛を伝える存在(鳩により象徴される) E殺人するなかれ 来世(アーラキット)・・・・終末に天国と地獄に分けられる カーマ(愛欲):子孫の繁栄を心がける
F姦淫の禁止 天命(カダル)・・・・全てを定める神をひたすら信じる アルタ(実利):経済的基盤を得る
神が最初に創った人間:アダムとイブ(エデンの園で暮らす)は, G盗むことの禁止 2.五行(五つの柱):五つの宗教的義務を絶対に果たすこと
蛇(悪魔の化身)にそそのかされ知恵の木の実※を食べ,神の H偽証の禁止 信仰告白(シャハダ):実際に口に出して唱えること 聖典(ヴェーダ)
怒りに触れてエデンの園から追放される I隣家を欲するなかれ 『アッラーの他に神なし。マホメットはその使徒である』 リグ・ヴェーダ
※知恵の木の実:神と同じように善と悪が判断できるようになる 613個の戒律は律法(トーラー)とタルムードに定められる 礼拝(サラート):日々の礼拝と金曜正午のモスクでの礼拝 サーヌ・ヴェーダ
夜明け・正午・午後・日没・夜半の五回の礼拝 ヤジャル・ヴェーダ
アダムとイブの子孫である人間は生まれながらに原罪を背負う ラビは律法学者 喜捨(ザカート):バイトル.マール(財産の家)に集める アタルヴァ・ヴェーダ
イエスは全ての原罪を一人で背負いエルサレムのゴルゴタの丘で十字架 所得の1/40の貧者への喜捨は義務
に磔刑され,死後三日後に復活して弟子達と40日間を過ごし昇天する 出エジプトから40年後にカナンに戻る 断食(サウム):日の出から日没まで カースト(古代アーリア人の身分制度)
紀元前11世紀にイスラエル王国 イスラム歴第九月(ラマダン)の断食 ヴァルナ(四姓制度)
ガリラヤ湖でイエスが行った山上の垂訓(八福の教え) ダビデ王→ソロモン王で黄金期に 巡礼(ハッジ):聖地メッカのカーバ神殿☆での神事へ @バラモン:神に仕えるもの
現世での苦しみの多い人ほど神の国では幸せである →ローマ帝国による破壊 ☆アブラハムとその息子のイシュマルが造った神殿で『聖なる黒石』が安置されている Aクシャトリア:王侯・武士
『心の貧しい人は幸いである。天の国はその人たちのものである。悲しむ人々は幸いである・・・・・・・・・・・』 →キリスト教による差別:職業など イスラム歴第12月に生涯に一度は自発的義務として巡礼する Bヴァイシャ:庶民
ユダヤ人の長い流浪の時代 → 五行はイスラムの連帯を作り出す Cシュードラ:奴隷
→19世紀シオニズム(シオンの丘に戻ろう!) 不可触民(指定カースト)
旧約聖書:ユダヤ教の聖典『ヘブライ語聖書』をキリスト教に取り入れたもの →パレスチナ入植−先住アラブとの衝突 イスラム法=社会の法=国家の法
律法(モーゼ五書)・歴史・諸書・預言からなる 最高の法源:コーラン(クルアーン)=アッラーが大天使ガブリエルを通じて与えた最高の経典
律法には天地創造・アダムとイブの誕生と追放・モーゼ十戒等を記す その他の戒律 第二法源:スンナ=預言者マホメットの言行録を後の学者が纏めた書物
新約聖書:生前のイエスの言葉を弟子達がまとめたもの 生後8日の割礼 第三法源:イジュマー=イスラム法の極意を究めた偉大な学者ムジュタヒド達の一致した意見
福音書・使徒言行録・書簡・黙示録からなる 一日3回の礼拝 以下四,五,…,第十法源まで定められている
福音書にはイエスの生涯,イエスの言葉,イエスが行った奇蹟を記す 安息日の過ごし方
ヨハネの黙示録はこの世の終わりについて暗喩で記す 豚・兎・ラクダ肉食やイカ・エビ・貝類の禁止 ハラム=食べてはいけない食品:ブタ・肉食動物・爬虫類・昆虫・酒類
牛肉も正式な手続きが必要 ハラル=合法的な食品:牛・羊・ラクダ・ヤギ・ニワトリなど草食動物や鳥類
ローマ帝国の東西分裂にともないキリスト教もローマ・カトリック教会と原始キリスト教に近い東方正教会(ギリシャ正教)に分裂 ただしイスラム法に定めた作法ザビハーに従って処理することが必須である
偶像崇拝は絶対に許さない
十字軍遠征後16世紀になり教会の贖宥状(免罪符)発行等を批判した 『戦争の家ダール・ル・ハブル』を『イスラムの家ダール・ル・イスラーム』に変える努力をしなければならない
マルテイン・ルター(独)の活動から宗教改革によりプロテスタントが拡がる → その教えを広めるための聖戦ジハードは義務である それは戦ではなく宗教公布の活動である!
同時にイギリスではヘンリー八世が英国国教会を設立して今日に至る アッラーのための戦いジハードで倒れたものは死んだことにならない,生きて緑園に入る
その行為は永遠に語り継がれ顕彰される
神と神の子イエスと精霊を信ずる点で本質的な違いはないと言われる ジハードの決定はイスラム法学者がコーランやスンナなどを照らし合わせて決めるもの
プロテスタント:『聖書』に帰る カトリックの秘蹟(サクラメント) 勝手にジハードを宣言するイスラム過激派はイスラムの法に適合しない
@洗礼:原罪を洗い清める コーラン(読誦):アッラーの言葉を集めたもので物語性はない
A堅信:精霊の賜物を授ける 声に出して読むもの
B回心:罪を悔い改める 奇蹟:イエスと異なりアッラーは奇蹟の類を一切しなかった
C聖餐:ブドウ酒とパン
D叙階:聖職の権能 予定説と因果律:人間の宿命(天命)は全てアッラーが決めるが,来世の運命には因果律が成り立つ
E婚姻:男女の神との契約 全てはアッラーの御心のまま『インシャラー
F終油:臨終の油 死者はアッラーにより救済された人★は美女・美食・美酒の楽園『緑園』に入る
★生きている間に努力するとアッラーは救済する可能性が高まるし,生前の多少の罪も許される
正義のためのテロや暗殺☆は善である ☆『暗殺教団アサシン』
モハメットの後を継いだカリフ(イスラム教団トップ)は教えを曲げたためそれを正すため次々と暗殺教団が暗殺した
四代目のカリフ“アリー”の跡継ぎ問題でシーア派はアリーの子孫が継ぐべきと主張し,スンニ派は血筋は関係ないと主張した
いずれも敬虔なムスリムだがスンニ派はやや柔軟な立場をとる
イスラム教下の大帝国
(1)『正統四カリフ』:西のスペイン〜北部アフリカ〜西のササン朝ペルシャ
(2)『サラセン帝国』:アッバース朝(首都バグダード)中心とした大帝国
(3)『オスマン,サファビー,ムガール三帝国』:ビザンチン帝国滅亡
19世紀には,逆に近代ヨーロッパの帝国主義に圧倒され分割・分断されこんにちに至る

  大野輝康著『世界の宗教』日本文芸社(平成21年)            ※小室直樹著『日本人のためのイスラム原論』(集英社Int.,2002年)

               PageTopへ                                                           Homeに戻る